AppleとAdobeのFlashをめぐる争いが続く中、Google傘下のYouTubeが、メインプレーヤーとしてFlashを使い続けると宣言し、その理由を「HTML5はまだ機能不足」と説明している。

Google傘下のYouTubeは6月29日(現地時間)、同サイトの主要動画プレーヤーとして米AdobeFlash Playerを使い続ける理由を説明した。同社はHTML5 再生プレーヤーも公開しているが、HTML5の機能はまだ不十分だとしている。

YouTubeのソフトウェアエンジニアであるジョン・ハーディング氏は公式ブログで、HTML5はYouYubeのすべての機能には対応していないと説明する。例えば、HTML5で多く利用されているビデオフォーマットのH.264はライセンスの関係から対応しないWebブラウザがある。これについてはGoogle がWebMプロジェクトで標準フォーマットの作成を目指しているが、現状ではH.264が主流だ。また、Flash Playerでは可能な全画面再生やライブストリーミング、画質の制御、コンテンツの保護などができない。

HTML5プレーヤーは(米AppleiPhoneiPadなど)Flash Playerに対応しない端末でのYouTube利用のために役立つが、現状ではユーザーに最適なビデオ体験を提供できるFlash Playerを主要プレーヤーに位置づけているという。

Googleは同社のWebブラウザGoogle Chrome」の最新版でもFlash Playerプラグインを正式にサポートしている。