口コミの破壊力はメーカーも無視できない

 メーカーが新製品の宣伝で“口コミ”サイトやソーシャルメディアを利用する場合、その手法は主に2つに分類できる。

 1つは、メーカー自らがTwitterやブログで情報を発信し、ユーザーとコミュニケーションをとる方法だ。担当者がメーカーの代表窓口となり、ユーザーとの双方向コミュニケーションを展開しつつ製品を訴求することで、その製品のファン層を獲得し、ゆくゆくはメーカーそのものの好感度を向上させることが期待される。ただ、売上に与える効果が数値化しにくかったり、成果が担当者に依存しやすいといった事情もあってか、その取り組みはメーカーによって大きく異なる。また、特定の担当者に依存ということは、サポートセンターと勘違いしたユーザーの不合理なクレーム対応に追われてモチベーションが下がり、業務が停止してしまうケースもある。いずれにしても運営に苦労しているケースが少なくない。

 もう1つは、メーカーの社員であることを隠してTwitterやブログで製品のレビューを発信していく手法だ。ユーザーの立場で自社製品の“自家製レビュー”を投稿し、口コミサイトのレビューを信頼するユーザーが自社製品に関心を持つよう“誘導”することになる。サービスによっては投稿時に取得されるIPアドレスの情報から正体が判明したらなにかと困ったことになるので、オフィスにある自分の机から3Gを利用したモバイル端末でアクセスしたり、自宅から書き込んだりといった合わせ技を駆使することも多いと聞く。

 後者になると、グレー的な要素を醸し出しているが、Twitterやブログに担当者を常時監視させる必要はないなど、少ない労力で大きな効果を上げられるため、部署単位で取り組んでいるメーカーも少ないながら存在する。ある関係者は「匿名で書き込みができるレビューサイトや掲示板はこの目的に適している」と証言している。

〜参考〜
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1007/23/news010.html